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大きいタトゥーを早く除去したい人必見!植皮術の全てを医師が解説

植皮法

「タトゥーを植皮術で除去します」

みなさんはこの言葉を聞いてどんな手術になるのか想像できますか?

植皮というのは、皮膚を移植することをさします。
タトゥー除去で用いられる植皮とは、タトゥーのない健康な部分の皮膚を削いできて、タトゥーのある部分に移植することです。

削いでくるなんて痛い!!怖い!!本当にそんなことして大丈夫なの?!

と色々なイメージを持たれる方が多いと思いますが、
植皮術とは、ヤケドの治療などにも使われるれっきとした治療法なのです。

本記事では実際の症例を元にその植皮術を用いたタトゥー除去方法について解説いたします。
植皮術をオススメされ、不安が多かった方もご安心頂けると思いますよ。


1 タトゥーの植皮術とは健康な皮膚を移植する方法

タトゥー除去で用いられる植皮術とは、その名の通り、他の健康な部位から皮膚を取り、タトゥーのある部分に皮膚を移植し、タトゥーを除去する方法です。タトゥー部分は一度、削皮を行い、その後皮膚を移植します。

ステップ

植皮術は、大きなタトゥーも1度の手術で除去できる場合がほとんどであるため、大きなタトゥーを早く除去したい場合に用いられる方法です。
さらに植皮術は『シート植皮術』『パッチ植皮術』『メッシュ植皮術』という3種類に分けることができます。

植皮の種類

『シート植皮術』
シート植皮術は健康な部分の皮膚をそのままタトゥー部分に移植する方法で、3つの術式の中で最も仕上がりがきれいな方法ですが、面積の広いタトゥーには向いていません。
面積の広い場合は健康な皮膚をその分、大きく採取しなければいけないため、健康な皮膚の方に負担が掛かってしまうからです。
また、ズレにも弱いというデメリットもあり、一部に血腫(移植皮膚の下に血が溜まってしまうこと)などの支障があると移植した皮膚全体に影響を及ぼすため、術後は安静が必要となります。

当イセアクリニックで行ったシート植皮術の症例

シート植皮術症例

 

『パッチ植皮術』
パッチ植皮術は健康な部分の皮膚を細かく刻み、点々と植皮する方法です。シート植皮術では、一部の支障が全体に影響することがありますが、パッチ植皮は一枚、一枚が切り分けられて入るので、全体に影響することがありません。
このようにシート植皮術のデメリットを解消するために考えられた術式ですが、次にご説明するメッシュ植皮の方が安全性や成功率においてどちらも優れているため、メッシュ植皮が可能なクリニックであれば、メッシュ植皮が用いられます。

 

『メッシュ植皮術』
メッシュ植皮術は健康な部分の皮膚を搾取し、特殊な機械を使用しメッシュ状に加工します。加工した皮膚は伸縮性に優れているため、小さい採取で大きい部分のタトゥーをカバーすることができ、また、穴があいているため、血腫ができる可能性もかなり低くなっています。しかし、時間と共に軽減していきますが、タトゥー部分にメッシュ状の跡が残ります。
広範囲に及ぶタトゥーはこのメッシュ植皮術を行い、短期間で除去を行っていきます。

当イセアクリニックで行ったメッシュ植皮術の症例

症例写真1

1.1 植皮術のメリット

植皮術のメリットは、1度の手術で広範囲なタトゥーを除去することに向いていることです。

広範囲なタトゥーの場合、切除術を用いた場合、複数回に及ぶ分割切除が必要であったり、場合によっては、切除が難しいという判断になる場合があります。
分割切除は手術の間隔を最低3ヶ月空けないといけないため、期間が掛かってしまいます。例えば、いつまでに除去しておきたい、などとスケジュールが決まっており、時間がない場合、植皮術を用いてタトゥーを除去します。

タトゥー除去の切除術について詳しくはこちら>>

1.2 植皮術のデメリット

植皮術のデメリットは跡が残ってしまうこと、健康な部分の皮膚にも傷が付いてしまうことです。また、術後は安静が求められることも挙げられます。

【跡が残る】
シート植皮術であれば、跡が比較的目立ちにくい方法であり、またどの術式においても年月が経つにつれて目立たなくなっていきますが、元の状態になるといったことはありません

【健康な部分の皮膚にも傷ができる】
健康な部分の皮膚も削ぐと傷は残ってしまいます。こちらも同様にある程度は目立たなくなりますが、全く元通りに戻るといったことはありません。

【術後の安静が必要】
術後は安静が必要です。植皮術では、採取した皮膚を糸で固定しています。皮膚の生着(くっつく)まで2週間ほどかかります。その間に創部をぶつける・擦る・無理に動かすと生着しません。皮膚を採取した場所以上に安静が必要です。


2 植皮術で痛みはほとんど感じません

植皮術は皮膚を削って移植して…と言葉だけ聞くととても痛いように感じますが、実際は、麻酔が効いているため痛みはありません。痛みを感じる3つのタイミング別に説明していきます。

① 麻酔時の痛み
【痛みの度合い】
弱 ★☆☆☆☆☆ 強
【痛みの感じ方】
静脈麻酔を使用した場合:点滴を刺すときのチクッとした痛み。
笑気麻酔を使用した場合:痛みは全くありません。

局所麻酔を打つときの痛みが心配な方もいらっしゃると思いますが、植皮術の場合は笑気麻酔(笑気ガスを吸って酔っ払ったようなフワフワした感覚になるような麻酔)もしくは静脈麻酔(点滴を使用して麻酔薬を体に入れる麻酔)を使用し、痛みの感覚を鈍らせた状態で、局所麻酔を行いますので、痛みは感じないようになっています。

② 術中の痛み
【痛みの度合い】
弱 ☆☆☆☆☆ 強
【痛みの感じ方】
なし

術中は局所麻酔が聞いているので、痛みは感じません。

③ 術後の痛み
【痛みの度合い】
弱 ★★★☆☆ 強
【痛みの感じ方】
ジンジンするような痛み、ズキズキするような痛みを感じることがあります。

術後の痛みは内服薬、もしくは座薬で和らぐ痛みですので、処方される薬を服用していれば、眠れないような痛みといった強い痛みを感じることはありません。また、薬を服用しても痛みが治まらない場合は、血腫などの合併症を起こして入る可能性がありますので、クリニックに連絡してください。


3 皮膚の壊死、血腫、感染、起こりえる術後のリスク

植皮術はヤケドなどの治療にも用いられる安全性の高い施術ですが、リスクはゼロではありません。考えられるリスクは、皮膚の壊死、血腫、感染がありえます。

・皮膚の壊死
皮膚が生着せずに壊死してしまうことがあります。これの症状は特にシート植皮術においてみられる症状で、壊死してしまった移植皮膚はもう一度手術をし、皮膚を移植し直す必要があります。

・血腫
移植皮膚の下に血液が溜まり、塊となってしまう症状です。血腫は生着の妨げになりますので、血腫ができた場合は、血腫を除去する手術を行う必要があります。この症状も特にシート植皮術において考えられるリスクとなります。
そのため、シート植皮術ではなく、メッシュ植皮術を選択することで少なくできるリスクでもあります。

・感染
稀に皮膚移植部に菌が繁殖し、患部が膿んでしまう場合があります。
術中には抗生剤の点滴を行い、術後の検診では患部の洗浄を行い、感染のリスクを減らしていきますが、万が一、皮膚壊死に至った場合は、再手術が必要となります。


4 皮膚を削って移植する、植皮術の手術の流れ

植皮術の施術の流れについて説明します。大きいタトゥーにおいて用いられる場合が多い植皮術の施術時間は1時間~2時間と長くなりますが、手術当日にご帰宅いただける手術です。

① カウンセリング
カウンセリングにて皮膚の移植を最低限に抑える範囲・デザインを決定します。またどの部分の皮膚を移植するかどうかも決定します。メッシュ植皮術を用いることで、実際に入っているタトゥーよりも小さい採取で移植が可能となります。

② 消毒・マーキング
まずは削皮する部分と移植元の皮膚の消毒、マーキングを行っていきます。

③ 麻酔
静脈麻酔もしくは笑気麻酔と局所麻酔を行います。
静脈麻酔、笑気麻酔が効いてきた頃に局所麻酔を行うため、局所麻酔の痛みを感じません。
また、感染を予防するため抗生剤の投与も行っていきます。

④ 移植皮膚の採取
まずは、健康な部分の皮膚を採取していきます。シート植皮術では、採取した皮膚をそのまま使用します。メッシュ植皮術では、特殊な器具を使用し、メッシュ状に加工し、大きくしていきます。(通常3倍程度)

⑤ タトゥー部分の削皮
タトゥー部分を削皮していきます。

⑥ 皮膚移植
削皮部分に、皮膚を移植します。

⑦ 保護
採取した部分と移植部分に軟膏を塗布し、それぞれガーゼで保護して手術は終了です。

⑧ 通院
当日は、リカバリールームでお休み頂き、その後ご帰宅いただけます。
2~3日後と一週間後、二週間後にガーゼの交換と経過のチェックを行うため、通院していただけます。
皮膚の再生には2週間以上の時間が掛かるため、2週間後からは経過に応じて通院します。


5 1年以上は必要?施術してから回復するまでの期間

植皮術では、一度の手術で広範囲のタトゥー除去が可能ですが、その後、通常の皮膚に戻るまでの回復期間が長くなります。回復期間(通称、ダウンタイム)に起こりうる症状と植皮術の経過を症例と共に説明していきます。

5-1. 回復期間(通称、ダウンタイム)に起こりうる症状

【植皮部分(タトゥーがあった部分)】
出血や浸出液(透明な液体)が多く出ます。出血・浸出液が出ること自体は問題ありません。
固定テープの上からクリニックで渡される防水シートを当て、洋服等が汚れないようにしてください。

採取した皮膚を糸で固定しています。皮膚の生着(くっつく)まで2週間程度かかりますので、その間にぶつける・擦る・無理に動かすと生着しません。皮膚を採取した場所以上に安静を心掛けて下さい。経過のトラブルが無ければ約2週間で保護が無くなる予定です。
色が落ち着くまでは半年~数年が必要です。

【搾取部分(健康な皮膚を取った部分)】
手術で大きな擦り傷を作ったと考えてください。
植皮部分と同様、術後数日~1週間は出血や浸出液が出るため、植皮部分と同様のケアが必要です。経過のトラブルが無ければ約2週間で保護が無くなる予定です。保護の除去後は軟膏を塗って経過を見ていただきます。

5-2. 植皮術の経過

【術前】
左前腕のタトゥーを植皮術で除去します。

経過1

【手術直後】
手術は1時間半程度で終了しました。メッシュ植皮術を用い、3倍の大きさに加工しています。下記が術後の写真です。

閲覧注意

術後~1週間は採取した皮膚、植皮した部分どちらも浸出液が多い時期ですが、治るために必要な過程ですので、問題ありません。痛みは伴いますが、内服薬、または座薬で治まる程度です。

【7日後】
1週間後の写真です。この頃から浸出液は減少傾向にあり、また痛みも痛み止めを服用しなくても済むレベルになります。

閲覧注意

【14日後】
2週間後の写真です。2週間経つと患部もほぼ乾燥してきます。この頃から入浴も可能となりますが、植皮部分は強くこすれるようなことはしないよう注意してください。

閲覧注意

【1ヶ月後】
1ヶ月後の写真です。植皮部分にかゆみと一部まだじくじくしている部分がありますが、経過は良好です。症状に応じて薬を処方していきます。引き続き、ガーゼで保護は必要です。

経過6

【2ヵ月後】
2ヵ月後の写真です。引き続き、ガーゼの保護は必要ですが、1ヶ月前にじくじくしていた部分は治り、乾燥が目立ち始めますので、ワセリンなどで保湿を行ってください。

経過7

【3ヵ月後】
3ヵ月後の写真です。この頃からガーゼの必要はなくなりますが、日焼けには充分に注意してください。

経過8

このまま年月をかけて色味が薄くなり、本当に馴染むまでには3~4年掛かります。


6 10cm×10cm517,000円!植皮術の費用

植皮術の費用は大きさによっても異なるため、一概には言えませんが、目安として当イセアクリニックで植皮術を行う場合は10cm×10cmのタトゥーの場合、517,000円(税込)となります。

麻酔の料金やアフターケア物品等の別途費用が掛かる場合があります。
多くのクリニックが局所麻酔33,000円、アフターケアの物品が3,300円~と設定しています。

イセアクリニックでは麻酔・アフターケア物品の費用が含まれています。

当イセアクリニックでは、手術に必要な局所麻酔・アフターケアに必要な物品が費用に含まれています。
※笑気麻酔(3,300円/税込)・静脈麻酔(33,000円/税込)いただいております。


7 他のタトゥー除去方法も行っているか見ること!クリニックの選び方

クリニック

クリニック選びの方法として、そのクリニック、ドクターの症例数を調べたり、症例写真を見たりすると思います。

まず、形成外科出身のドクターを選ぶことがポイントです。形成外科の経験を積んでいるドクターは必ず、植皮術や削皮術に対する訓練を積んでいます。そのため、仕上がりのキレイさやリスクの少なさが格段に異なります。

また、症例数、症例写真を見ることはどんな風に仕上がるのか?技量はあるのか?を確認するために必要なことですが、もう一つのクリニック選びポイントとして、植皮術だけでなく切除術やレーザー治療などの複数の治療を行っているクリニックかどうかを確認することが挙げられます。

どれだけキレイに植皮術を行ったとしても、傷が残ることは避けられません。もちろん、傷が目立たないようできるだけキレイに除去すると思いますが、植皮術で一番良い術式とされるメッシュ植皮術を用いるとメッシュ状に跡が残ってしまう可能性があります。

傷が残ったときに、切除術やレーザー治療を行っているクリニックを選択しておくことで、再度手術や治療を行い、傷をケガの跡のように見せたり、薄くしていったりと改善することが可能です。

症例数や症例写真だけでなく、そのクリニック、ドクターが行っている手術方法を確認しておくことが大切です。


8 まとめ

植皮術は健康な部分の皮膚をタトゥー部分に移植し、タトゥーを除去する方法です。跡が大きく残ってしまうことや跡が残る、健康な皮膚に傷が付いてしまう、安静が必要というデメリットはありますが、1度の手術で広範囲なタトゥーを消すことができるので、大きいタトゥーを早く消したい方に向けた方法です。

植皮術のポイントを下記のようにまとめました。

・痛み … 麻酔が効いているためほとんど感じない
・リスク … 皮膚の壊死、血腫、感染
       術式の選択や術後のアフターケアを正しく行うこと、術中に抗生剤を投与することで、リスクを少なくすることができます。
・手術時間 1時間~2時間(当日に帰宅可能)
・ダウンタイム … 傷が目立たなくなるのには長い期間を要しますが、2~3ヶ月で通常の生活に戻ることが可能です。
・費用 … 当イセアクリニックでは、10cm×10cm517,000円(税込)となります。
・クリニックの選び方 … 形成外科出身のドクター・症例数や症例写真が多い・切除術やレーザー治療なども行っているクリニックを選ぶこと

植皮術は傷跡が完全になくなる施術ではありません。そのため、植皮術の知識と術後のダウンタイム、経過をちゃんと理解し、納得の行く手術を行ってください。

 

 

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